ボイジャータロットについて様々な視点から情報をお伝えする企画『ボイジャータロットと私』第一弾!はスピリチュアル系リーダーとしてもキャリアの長くそして国際認定コーチのホシハルカ先生に寄稿頂きました。
占術の種類
占術の種類を大きく分けると「命(めい)・卜(ぼく)・相(そう)」の三種があります。
命術(めいじゅつ)は誕生日や年月日をもとにした持って生まれた命運を読み解く占いで、四柱推命・占星術・気学・数秘などが該当します。
卜術(ぼくじゅつ)はいわゆる卜占(ぼくせん)といって、問いに対してその場で現れた象徴から読み解きます。筮竹を用いた易占とか、タロットカード、ルーン、おみくじなど。古くは卑弥呼の時代から行われていた亀の甲羅を焼いて占う亀甲占いから始まったといわれています。
相術(そうじゅつ)は物の形状や色、膨らみや偏りなどから読み解くもので、手相、顔相、家相、風水、コーヒー占い・紅茶占いなどが当てはまります。
占い師たる者はその三種に通熟しているべきである。という話も昔からあります。
ボイジャータロットは卜術、西洋占星術は命術になります。
タロットと占星術の併用
私は先に占星術を学び、数年遅れてタロットカードを使い始めました。途中で風水気学も少しかじっています。
西洋占星術に夢中になったのは、なんといっても惑星という象徴が星座やハウスといった天地のエリアの影響を受け、それによって人に個性が生まれ、人生の流れのポイントが読み取れるという、複雑にして神秘性に満ちた学びにワクワクし、すっかりはまってしまったからです。
しかし占星術を学び、人を観るようになってから数年後、占星術では読みづらい内容がある事に気づきました。
人の気持ち〜相手は自分をどう思っているのか?また、自分の本心は?
現実の状況〜何が原因でこういう事が起きているのか?打開の糸口はどこか?
方向性〜AかBかCか…どっちに行ったらいいのか?……等々です。
そういった事を読むのに卜術も必要だと思い通常のタロットを購入してみたものの、何かピンと来ずお蔵入りになる始末。
これでは何か足りないような…と思っていた矢先、有名な占術研究家の先生の「占星術とタロットは双子のようなものだから、両方を修めた方がいい」という言葉を聞きました。
じゃあ自分にピッタリくるタロットとの出会いを求めよう!と思い、天に祈りを投げかけて間もなくの事です。まことに目の覚めるような出会いが訪れました。
トランスパーソナル心理学を通じて出会った友人が「セラピー的に使えるタロットがあるよ」と紹介してくれたもの、それがボイジャータロットでした。かれこれ20年以上も前の話です。
ボイジャータロットとの出遭い
通常のタロットカードは定型的な絵柄で(現在では様々な種類があるのですが、当時の話)、小アルカナは、剣が何本、コインが何個、という記号的に描かれているので、象徴と数字の意味をしっかりと覚えて、尚且つそこからイメージを膨らませる作業に慣れておかないとなかなか読み解けません。
かたやボイジャータロットは、全てが美しくも魅惑的なコラージュで構成されているため、イメージングするステップがとても容易です。一見してネガティブなカードにも救われる要素や味わいが含まれていて、タロット初学者の私にもすぐに理解できるカードだったのです。
当時セラピーやイメージワークにも関心を持っていたため、コラージュの見え方が心理状態や魂の声を映すということも解り、興奮ものでした。
友人に教えてもらった9枚引きのスプレッドを何度も何度も、いろいろな人にも使ってみた結果、これは上手に使えば、トラウマ解消や運命転換にも使えるカードだと気づいたのです。
9枚引きのスプレッドでは、内面と外面、それぞれの見えている部分と見えていない部分、それと過去・現在・未来を引きますが、私自身のオリジナルとして、カード全部をクロスの上で混ぜ、逆位置のカードも採用します。逆位置で出たカードの内容とその場所を注目すべき部分と捉え、そのカードをクライアントと共によく観ながら、話し合い、イメージを広げ、転換します。そのうえでそれを補完するカードを新たに引いて、その箇所を癒すのです。
その方法で様々な問題解決ができると確信しています。
占星術をフォローしてくれるボイジャー
西洋占星術師である私がボイジャーをどのように使い、どのように観ているかのお話をします。
セッションでは、まずクライアントのホロスコープ(出生図)を作り、読み解きます。
あらゆる人生の可能性の種が、出生のホロスコープに含まれていると考えられるのです。
そこからホロスコープを、プログレッション(進行法)、トランジット(経過法)などの技法を使い、その種がいつどのような流れで変化していくかの予測や読み取りをします。
いわば出生ホロスコープは「種またはDNA」、プログレッションは育って伸びて膨らむ「幹・枝葉・花・実り」、トランジットは「天候や栄養」…という見方が出来るかと思います。
人生の可能性の種と、その活かし方でどんな樹形ができどんな実りを得られるか〜それが星から天命を知るということ。
ホロスコープを読み解き推測しクライアントとすり合わせながら対話する。それだけでもセッションは成り立ちはするのですが、なんと占星術では読み解きにくい部分があるのです。
それは、プロセスの中での「気分」「感情」や「雰囲気」「魂の声」……。
伸びていく時系列的な流れでは表れない、医療用のMRIやCTスキャンで幹を輪切りにした断面図を見るようなイメージ。それらを観るのに、ボイジャータロットはとても役に立つのです。
実は占星術でそういう見方も可能なのですが、カードの方がダイレクトに何が起こっているのか、クライアント自身が観て理解できる、という多大なメリットがあるのです。
例をあげると、ある方は感情が優勢で現実的な対応が弱く、またある方は知性が優勢だけれど気持ちの汲み取り力に欠ける…もっと直感に従って勢いよく進んで良い。などなど、カードは具体的にわかる形で指し示してくれるのです。
実際のリーディング現場での活用
ホロスコープを読んで、この時期は仕事運が向上とか、恋愛運が良好とか、人間関係に巻き込まれやすいなどなど、先行きの流れを読み解く事は可能です。
しかし、そこである物事についてボイジャーに尋ねながら展開していき、出たカードをクライアントと共に見つめて行くと…。
経験する事のテーマ、問題の原因、注意点、得られる成果、さらにその後の展望まで、色鮮やかに見せてくれるのです。そういった言葉をクライアント自身がカードの絵柄からイメージして紡ぎ出す事もしばしば。
または逆のパターンもあります。
ボイジャーをメインに使ってリーディングをしているのに、どうもハッキリしたカードが出ない…という時がありました。例えば恋愛の告白、例えば転職など…。
こういう言い方なら?とか、まず転職先を確保してから退職を…など試行錯誤している中で、星回りを確認してみると、
星はこう告げます「い・ま・じゃ・な・い!」。
ではココの星がコッチまで動いてから実行!?という事をカードに聞くと、ボイジャーは答えます「YES!」と。
星とカードは終わらない学び
ボイジャーは古典的なタロットと同様の使い方も出来ますが、セラピー的な使い方、イメージワーク的な使い方、またはオリジナルなスプレッドなど自由な使い方が許されている、器の大きなカードです。
何より、イメージ力を膨らませてくれるボイジャーは、クライアント本人の内側から解決方法を導き出してくれる…そのマジカルな能力に、脱帽。そんな深みを持つボイジャータロットの魅力を、占星術の更なる学びと共に今後も豊かに活用していきたい私です。
西洋占星術師&ボイジャータロット国際認定コーチ ホシハルカ